【モットー】                                           

① 地元のほたるを残し、ほたる「も」すめる

   良い自然環境を維持しよう。

 

② 手に触れられる自然の水辺を残そう。
 
③ 子どもからお年寄りまで楽しめる場所にしよう。
 
④ 自然に関する教育の場所にしよう。

                                                              


【「モットー」の解説】

 

1) 地元のほたるを残し、ほたる「も」すめる良い自然環境を維持しよう

「ほたるばかり『が』すめる」では無く、「ほたる『も』すめる」環境を保つことが大事です。

自然回帰の趨勢から、ほたるの幼虫だけを飼育・放流し、「皆で育てたほたるを大事にしよう!」、「今年も沢山の成虫を飛ばそう。」という場所は増えています。ただ「ほたるの成虫を出したい、出る成虫を増やしたい」ばかりに、安易にネット販売業者から幼虫や餌を購入し放流するという事まで行われてしまっているのが現状です。一歩間違えれば、願いとは裏腹に自然のバランスを壊す行為になってしまいます。

 「まずホタルが大事」なのではなく、「他の動植物と一緒に、ほたるも自力で世代を重ねられる多様性を備えた環境」を維持・存続(または復活)させていくことが先なのです。

  これを実現して行けば、「何だか整然としない、一見手入れを怠ったような草むらだが、何故かホッと落ち着ける」土の水路と風景が残る。「ほたるもすめる場所」を大事に残すことが、結果的には日本人なら足をとめてホッと落ち着ける空間を地元に残せることとなる。

 結果的に、「ほたるのおかげで環境が残せた。」と言い換えても良さそうです。

 

 

 

そういう意味を込めて、スローガンの第1に挙げています。

 

) 手に触れられる自然の水辺を残そう

 水溜り→水田や用水路→小川→河川 と順を経て遊び育った子どもたちは、教えなくても水に対する知恵がつき、河川に出ても水の事故を起こすことはあまりありませんでした。水場で必要な行動を自然に学んでいたんですね。

 今、小川や用水路の土手までコンクリート・ブロックやU字溝に改修され、流れは速く水位は深く、安全に水に触れられる場所がどんどん消えてしまいました。都市化後の地元の川では、もはや子どもの遊ぶ姿は見られません。 

 

☆ヘイケボタルの生息に最も適するのは、現在90-100歳位の世代迄が手作業で手入れしていた昔の水田の畦だと言われます。崩れやすく、手入れは少々面倒ですが、小さな生き物が棲み、小さな子どもが遊んでも流される事の無い水流の場所。少し前には近辺にも残っていたのです。

 日本の子どもたちが水・自然から学ぶ最初のきっかけとなっていた、水田周りの水場。

そんな場所を大事に守っていこう、と言うのが2番目のモットーです。

  

3) 子どもからお年寄りまで楽しめる場にしよう

 ほたるが世代を重ねている場所には、既に最低5つ位の環境が整っています。

自然な水、草、土があり、適当な日当たり、日陰、そして適当な湿り気もあるのです。これらは、人にとっても良い環境であるはず。

 そして、特に子どもやお年寄りが楽しめる為には、安全な場所であること。これらを含めて維持管理を続けよう、というのが、第3のモットーです。

こういう場所が、遠出せずとも寄れる身近な場所にあることも大事な点です。

 

 

4) 自然に関する市民教育の場にしよう

 モットー1~3の意味・大切さを皆さんの間に広めること、そして現地を学びの場として利用して行くことを最後の目標に挙げています。現在は室内の学習会、現地のホタル成虫観察が一般対象のメインイベントですが、今後は、水辺の生き物や環境を学ぶ体験学習場所の一つとして現地を活用出来れば一番かも知れません。

 そして最終的な願いは、現地が、「地元で愛される場所」になることです。街なかでホッと一息つける緑の空間、憩いの場、本来ここの地元民の情操を培って来た環境。何よりも、心が落ち着く、情操教育の場であって欲しい。

 幼少時代は土・草・水に触れ、その後、疲れた時にフラッと 「寄ってみたいな」 と思える場所を末永く残したい。そんな願いで、活動を続けています。